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2016.02.12 Friday

遺言

JUGEMテーマ:陶芸
 
 私は独身の淋しい身空で、

死ぬ予定もまだ見ぬ子供に伝える予定もありません。

 
 故14代 酒井田柿右衛門の記した本のタイトルです。



  
  



 副題に「愛しき有田へ」とかかれています。

 一番気持ちが全面に出ているのが、「柿右衛門」についての事。

次いで有田、それからちょろっと全国の陶磁器についての思い。

気持ちの入れようの度合いが階段の様に明確に差があるのが面白い。

ある意味その気持ちの順番は当然の事ですが。

 14代はその名を襲名した時より、正(まさし)の名を捨て、柿右衛門として生きた様な節があります。

信長の様に若かれし頃は放蕩息子で有名だった様ですが、襲名を境にして生まれ変わったとは、

現人間国宝であり、親友の中島宏氏の弁。

15代へ向けた言葉の中にも、個人的な陶芸作家になるより前に

「柿右衛門」としての仕事を全うしろとしきり説く中にも、その責任の重さがうかがえます。

 「柿右衛門」という名は、濁し手の重要無形文化財保持者としての担い手になる事。

それは日本のトップであり、そして世界のトップでもあるという事。

そういった自負から、

焼き物への考え方や、焼き物へ携わる人々へ

非常に厳しい視点で語っておられます。

 

 ―焼き物に対する考え方―

 考え方は非常に工芸会系の考え方をされています。

*工芸会の首領とも言える方ですが、細かい考え方なんかもまさにそれです。


 *工芸会系というのは、古来から伝わる先人の思想や技術を引き継ぎ、後世に繋げようとする会派で、

日本で一番の規模と権威を持っている派閥の事(人間国宝は基本工芸会から選出されます)。

 (蛇足ですが、うちの親父も工芸会の会員です)

 
 『それは「綺麗」だが「美しくない」。』

その事が一番如実にわかるフレーズ。

 主にボーンチャイナ、天草陶石に向けられた言葉ですが、自然のものそのものこそ美しいのであって、

科学的に作り出されたものは、例えば白なら余分なものを排除した白であり、

それは単に綺麗なだけ、美しくない。

天草陶石は自然のものなんですが、それに対しても泉山の陶石と比較して、

不純物が少なすぎて綺麗すぎてつまらないという事を仰っています。

 
 銅に対するエピソードもその事を物語っています。

自然にある銅を使用する為、神社仏閣の建て替えの時、屋根に使用した銅版を使用しており、

現在では上杉鷹山の墓所の銅版を*使わせて頂いているとの事。

(*もちろんそのまま使用するわけではなく、酒井田家の伝統的な抽出法により銅を使用されています。)

 
 実は私も以前似た様な話しを伝え聞いておりまして、真偽の程は全く定かでは無いんですが、

それは大量の10円玉から銅をこそいで使用しているとの事でした(笑)


 これも人間が作り出したものの薄さ、自然のものの不純物を含めた銅なら銅の深みが、

作品を美しいものにするという思想の表れです。  


 焼き物の価値観の大きな側面に「禅」の思想があり、

これは茶道の精神から間接的に伝播したものと推察します(学問的な考察はしません^^;)。

上記で述べた14代の考えは「禅」の思想の影響を色濃く感じます(いつか軽く禅についても書きます)。


 (続く)



 
 
2016.02.06 Saturday

日本伝統工芸展を見に行く-本編-

JUGEMテーマ:陶芸

 続き


 大賞は井戸川豊さん(かいわれの方)。
 
今回の感想は、「銀泥彩の技法が評価されて良かったなー」という感じ。

かいわれの文様をあしらった鉢は以前からずっと出品されておられたテーマ。図録を見ただけで「かいわれの人」と

わかるインパクトだっただけに、新しいジャンルの技法とも相俟ってそれが評価されたんだと思います。

 正直銀泥彩という響きだけでは、どのような事をされているのか私にはわかりません。

そもそも銀彩は焼成温度が低く、泥との温度の折衝をどうしているんだろうというのが素朴な疑問。

泥に混じれば焼成温度を上げれるのか、銀の方に温度を合わせるのか。後から銀を載せるのか。

質感を考え作品にまで昇華させるとなると、恐らく数え切れないほどのテストを繰り返されたんだと思われます。

 苦労が報われるというのは大変素晴らしい事。私の様な底辺のものも是非おめでとうございますといわせて下さい。

 
  もう一方の賞は鈴木徹さん。
 
 織部。釉垂れの美しさが特徴の作品。

この様な織部の釉流れは見たことないという評あり。

そう言われれば確かにそうだ。

 だがこの作品の魅力はそんなポイントポイントではない。上部の色のくすみ。それから形。

それに釉の流れがとても自然で、高次の次元で、1つの作品として仕上がっているところにある様に思います。

 この釉の流れる調合テストや掛け方等のどのくらいの試験を重ねられたのかはわかりませんが、

それは作品の出来を見ればある程度は見えてくるもの。やはり報われて良かったと思います。

 ちょっとこの方を調べてみれば、何とあの鈴木蔵(人間国宝)。しかも茶碗ではなく、作られているのがこの織部の花器。。

父親の名前が大きいだけにものすごい挫折感や苦労があったはず。

本当に評価されて良かったなと、

大して大きくない名前の二代目の私(親父の名前に圧倒されないのが救い)でもそう思います。

 伝統工芸展の本分は、目新しい事ももちろん大事ですが、

過去の偉人の仕事をその延長線上で如何に超えるか。というところにあると私は解釈しています。

その視点に立てばこの方の作品こそ、この展覧会に相応しい。受賞に相応しい作品です。


 後、新人賞の方(多田幸史さん)の作品も良かった。

九谷焼の伝統を残しつつも、やはり作品が良い意味で若々しいのだが、

銀が銀泥している為(この方も銀泥彩^^;)か、

錆の風合いがありそれが落ち着きもあわせて演出していた様に感じました。


  
 作品の写真は撮れないので、大変申し訳ないのですが、工芸会のHPの受賞作品一覧よりご覧下さい。



 以上、欠番している図録を3冊程買い込んで会場を後にしたのでした。




 俺も頑張らねば。


 

 
 
2016.02.05 Friday

日本伝統工芸展を見に行く-前-

JUGEMテーマ:陶芸

 今回は本当に見に行くまでです。

見ての感想も書いたのですが、しょーもない前半との温度差がやばい事になり、已む無く前後半とさせて頂きます。


  
 最近一つ嬉しい事がある。携帯をガラケーからスマホに変えた事だ。

無論変えた事自体が嬉しいのではなく(少しはある)、特に今日の様な日にそれが身に沁みて実感する。


 前後左右の感覚は面白い(上下は割愛)。我々が個人だった場合、主観によりそれが決まるからである。

つまり電車が進行方向に進んでいようと、私がそれと逆向きに座っていれば、顔がある方が前で後頭部が後ろというわけで、

座り直せば、事象は同じでも前後の感覚は主観により逆転してしまうのだ。

 それはつまり、右に曲がってトイレに入るならばと、出た後は左に曲がらないと辻褄が合わないという事でもあり、

地下から抜けた出口は、戻る際には左右を逆転させなければならないという事でもある。

 
 色々中身の無い事をしゃべったが、

要するに私は方向音痴なのです。


 具体的には大学受験で東京に出た際は、最寄駅から徒歩10分のホテルまで6時間。

加えて一番本命だった大学も迷子とそれに伴う精神疲労にて受験出来ず(まだ夢みたりします)。

 そんな私ですので、このスマホのナビは本当に有難い。

目的地と現在地はおろか、自分の現在の方角と進行方向まで教えてくれるのです。

 以前天神に出た頃は、*太陽の位置にて方角を知り、それによって建物の方角を割り出すというアナログっぷり。

パルコとかソラリアとかが邪魔で太陽が見えず、その為に憤懣を溜めながらも、

色々移動し、結果自分の場所を文字通り失うという事から

漸く開放されたのです。

 (ここで長い言い訳を。もちろん分からない土地は怖いので、事前に入念な下準備をして行きます。

 グーグルアースが使える場合はそれを撮影保存したり、無理でも目印の建物のっているMAPを保存したり、

 それにあわせて太陽の位置で割り出した方角を頼りに進んでいたんです。

  それでも迷子になる私。漸く最近原因がわかりました。街にあるマップ。あれ方角逆で書いてる奴が凄く多いんです。

 恐らく方角よりも現在向いている向きを優先させたからなんでしょうが、私からすればあれはイジメ。

 当然上が北という先入観があり、街のMAPをみて自分の画像をみては同じところをぐるぐるぐるぐる。

 この状態では当然右折を回れ右すれば左折とか冷静な判断が出来るわけもなく、右折回れ右右折になるのです。)


 今回の目的地は三越。これは駅に近い事も建物がでかい事もあり、ちょっとだけの不安で大体いつも

僅かな右往左往で着きます。今回はスマホ様のお力添えもありすんなり到着。

(だが福岡三越は別館が3つも4つもあり、建物抜ける度に外に出る為、本館に辿り付くまで若干の不安を煽る仕様あり)


 で、見ました。
 
 
  続く(本当に中身が無くてすいませんw^^;;;)

 

  

 
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