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2016.03.12 Saturday

掻き落とし

JUGEMテーマ:陶芸

  「掻き落とし」とは、

 化粧を塗った後に、それを掻いたり、削ったりして文様にする技法の事。

ただ文字通り塗った後の処置でなくても、初めからマスキングしてその上に化粧を塗って、

化粧を載せた後に、そのマスキングを外しても掻き落としといえます。

 

   
   (ピンクに窯変した様子が、掻き落としの文様とマッチしていてよい感じ)
 
 上の画像は典型的な掻き落とし文様。

うちは化粧を窯変させる事を一番の売りにしているので、この技法は秀高窯の得意技の様なものでもあります。


  以前蝋抜きという技法をご紹介しましたが、

蝋抜きは釉薬の掛かっているところとそうでないところで、文様としていましたが、

これは化粧が掛かっているか否かというところで、デザインする技法です。


  
    (母上作。上記のものも然り。これは両方とも同じ技法で、しかも同じ窯に入れたもの。
  窯変の偶然性でここまでニュアンスが変わります)

 
 似ていると言われれば、確かにそうですが

明確にこの技法は差別化されて然るべき理由があります。


 それは化粧を掛けた上には、必ず(セオリーとして)釉薬を掛けますので、

掻き落としと蝋抜きという技法は両立し得るのです。

 またこれは蝋抜きと言って良いかわかりませんが、

釉薬をマスキングする事により別の釉薬を掛け分ける事も可能であり、

そういう意味では、かなり技法として別物だという事が出来ます。

 
 
  また私が覚えていたら(重要)、

次の窯に各々の技法の特色を出したものを皆さまが忘れた頃にUP致します。


    
 
2016.02.27 Saturday

鎬手(しのぎて)

JUGEMテーマ:陶芸

  「鎬手(しのぎて)」は、陶芸の技法の一つで、

半乾きの状態の粘土を削って文様にする事です。

 
 本来は(私の記憶の事なので裏がとれていません。すいません)、

削る事によって出来る、山の部分の連なりを文様にして表現する技法の事で、

「鎬を削る」の語源である、刀とお腹の高くなった部分の鎬から来ていると推測しています。


  
 (陶芸初めて間もない頃のもの。初めの内は鎬手をする為に作るのではなく、
  重くて使えないから鎬手をして軽くするという事がよくあります。当然これもそれ笑)
 
 現在はより広義に粘土を彫る事自体を「鎬手」と言うようになっている様に思います(どうですかね?)。

斯く言う私も、ただ彫るだけで「鎬手」と呼んでいます。


   
(「彫るだけで鎬手」とは言ってみたものの、やはり彫っただけでは鎬手と言いたくないものがあります。
 上の画像は鎬手なのか際どいところです。釉掛けの状態ですいません)
 
 「鎬手」はただ粘土を彫るだけに、それこそ多様な表現が可能になる技法であります。

荒々しく彫れば、作品自体が非常にワイルドになりますし、上手く荒々しく削れば有難さも生まれてきます。

繊細に削れば、均整の取れた非常に上品な作品に仕上がります。

        
  (私の表現ではせいぜいこんなもの。僕は結構気に入ってます^^)

  単純な技法だけに、とても難しく技量やセンスが問われる技法という認識です。



 


 
2016.02.10 Wednesday

技法紹介:蝋抜き

JUGEMテーマ:陶芸
 
 考え方は工芸会よりな私ですが、それ以外の考え方に対し排他的ではありません。

寧ろ日展系の様なコンテンポラリーアートに通じる雰囲気は、

積極的に評価しています(でも良い作品を作るにはとても難しいとも思っています。)


 
  
 (デザインだけは反工芸会的)

 今回の技法紹介は蝋抜き。

折角なので、Virtual InsanityのPVくらいシンプルで格好良い(言い過ぎ、しかも少し古い)

私のカップを例にご紹介申し上げます。

 本来ならば製作過程を順に追って、分かりやすくご紹介したいところなんですが、

今本焼き中で製作過程を追うと1ヶ月後くらいになる為、やむなく既存のものでご説明する事をお許し下さい。


  
 (120度程回転した絵)


 蝋抜きとは本来、文字通り蝋を塗って釉薬をはじく事を意味していました。ですが、

昨今では、撥水剤やラテックス、マスキングテープ等で、釉薬をはじく事自体を蝋抜きと総称して呼ぶ場合が多い様です。

蝋抜きの技法とは、釉薬の掛かっているところと掛かっていないところのコントラストにより、

釉薬の部分もしくは蝋抜きの部分の文様を魅せる事が醍醐味になります。

 そういう意味でも、このカップは蝋抜きという技法の非常にわかりサンプルというわけです。


  
 (もう120度程回転した絵)

 このカップはマスキングテープを任意の大きさに切り取りマスキングした上で施釉したもの。

単にテープをそのままベタベタ貼っただけだと思われるでしょうが(それはその通りなんですが^^;)、

カーブしている曲線に、直線で遊びの無いテープはそのまま貼れないので、1つの直線にしても、

テープ2、3回継ぎ足してシャープなラインを造っています。0.1ミリでも繫ぎがずれると格好悪いので、

それこそ最新の注意で継ぐ必要があります。

 外はまだ楽なんですが、内側は非常に貼り難く、何回も貼り直しをしています。

文様自体は単純ですが、これ1個にテープを貼るだけで

30、40分くらい掛かっています(冷静に考えると言う程掛かってないですね^^;)。

 
  
 (内側。もちろん色が薄いところが焼き締め(釉薬がかかっていない)部分。)

 おられないとは思いますが、これにインスパイアされた方にアドバイスをするならば、

焼き締め部分は基本脆いので(うちは低温焼成の為、特に水の沁みなどが懸念があります)、

内側は多くの面積を施釉した方が実用的です。


  
 (高台。右上の汚れっぽく見えるところは私のサイン。)

 基本的に蝋抜きという技法は、他の技法と併せて作品を表現する事が多いのですが、

単純な蝋抜きだけでも色々アイデアを練れば素敵な作品に仕上がります。


 陶芸を始めたての皆さんや、陶芸体験したい方(うちの秀高窯は蝋抜きの体験も、ご希望があればして頂く事が出来ます)

この技法は比較的簡単なので、これから始められるのも良いと思います。

 そういえば、以前にご紹介させて頂いたハイカップも技法は蝋抜きだけの作品です。
 


  
 (使用しているマスキングテープ)

 模型屋などで売っているスリーエム社製、マスキングテープ。

後のりが残らないので、大変重宝します(欠点はテープの上に鉛筆で下書きしても見えづらい事)。ちょーお勧め!

(私はこのテープ買う為だけに、片道1時間かけて博多まで買いに行っています。)


 
 
 またいつか、違う技法のご紹介をさせて頂きます。

それでは皆様また明日。



 
 (クリック1つで、助かる私の心(いのち))
 
2016.01.20 Wednesday

化粧の種類

JUGEMテーマ:陶芸

 秀高窯では粉引きに力を入れている事もあり、

化粧にも様々なバリエーションがあります。


 
 (化粧A。秀高窯の一番オーソドックスな化粧)

 化粧Aは素地(作品)とも相性が良く、色も良い白色でしかも高格率で窯変が狙えます。

特に何か奇を衒ったり、特別な狙いが無ければこの化粧で全て事足ります。非常に使い勝手の良い化粧です。




 
 (化粧B)

 余り使用する頻度は少ないですが、窯変を狙わず化粧のそのままの質感を残したい場合に使用する化粧です。

ただ窯変はあくまでもし難いという事であって、絶対しないわけではありません。



 
 (化粧E)

 *化粧CとDは今在庫切れ中です^^;(Cはちょっと失念しましたw DはAに砂などの粗い粒子を混ぜたものです)

少し黄色見がかった化粧。最近仕込んだばかりなので、どの様な性質なのかはまだ良くわかっておりません。

ただ素地との親和性は高く、発色はとも土(化粧を仕込む際に使用する元の土の事)のそれを彷彿させるものです。

後は窯変の発色性と蓋然性の高低。素敵な色に窯変してくれれば良いのですが。

まだ試験段階ですので、テストを重ねていく予定です。



 
 (赤化粧)

 化粧Aに鉄分を混ぜた化粧。窯変によって茶色からこげ茶、黒と発色する。

上手く使用すれば、趣き深い作品に仕上がります。



 
 (緑化粧)


 化粧Aに顔料を混ぜ込んだもの。緑に発色する事はするのだが、ありがたみの無い薄っぺらい感じに仕上がる^^;

透明釉だと少し貧弱なので、色つきの釉をかけるのがセオリーとの事(親父談)。

あんまり使用しておらず、しかもあんまり調整に本気じゃない為、良くわかっていない未知の化粧。


 その他にも青化粧や、今仕込んでいる新たな化粧(化粧F)もあり、

色々化粧を使えるので、化粧使いとしては楽しみが増えそうです。


 最後に化粧A、B、E を塗りわけした飯碗をご紹介して終わります。

ご覧頂きありがとうございましたー♪



 
 (底辺がC、中がE、上部がAです。全体的に窯変しておらず、いまいち評価に困る感じです(笑))



 
 (お手数でなければ、この画像をクリックして頂くと励みになります)

 
2016.01.06 Wednesday

化粧を仕込む2

JUGEMテーマ:陶芸
 

(あの自動で回転する機械から下ろして、蓋を緩めた状態)

 

 昨日に引き続き、化粧の仕込み模様をご案内します。


 一晩ローラーの上で回して攪拌させた後、ミル(写真で見えている白いねじ止めされた容器)を傾けて

上ネジを緩めると、勢い良く中から化粧が出てきます。


(噴出が止まった状態)

 これを傾けて、全て下の青い別容器へ一旦移す。




 

 別容器に溜めた化粧を濾す為、篩(ふるい)を用意。化粧は成分として土そのものをちぎって入れている為、

非常に粘性があり篩を通り難い。故に一回別の容器に入れて、ゆっくり濾して行く。




 
(濾した後の状態)

 全て濾し終わると、後は水を入れて濃度を調整し完成。


 化粧と一言に行っても、様々なバリエーションがあり化粧の奥は大変に深い。

今回仕込んだ化粧も顔料を入れたり、別の化粧と混ぜたり、粒子を変えたりとそれだけで作品の表情が全く異なってくる。


 
 スタイルやコンセプトによって化粧を変える。

それは正に女性のそれだ。

という事は、

化粧使いは女性の精神に通暁しているという事だろうか(反語)


 
 



 
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